過敏性腸症候群
このような症状でお悩みの方はご相談下さい。
- 長期間下痢や便秘が続いている
- お手洗いが近く通勤等に不安を感じている
- 排便後スッキリするが直ぐに便意を感じる
- 緊張するとお腹を下す
- 休日は何ともないのに平日は調子が悪い(下痢型、便秘型、混合型があります)
過敏性腸症候群とは
過敏性腸症候群とは、長期間続く腹痛やお腹の不快感、便秘・下痢が特徴である消化器の病気であります。精神的なストレスを長い間感じ続ける事で副交感神経系に異常が発症してしまい、便を体外に出そうとする腸管の蠕動運動が必要以上に増強されてしまい、過敏性腸症候群が発症すると言われています。
また近年では、過敏性腸症候群を発症する方が増加傾向にあり、過敏性腸症候群は約10人に1人の割合で発症しているとも言われています。
過敏性腸症候群が発症すると、下痢や便秘だけでなく腹痛、お腹の張りなど様々な症状を引き起こします。これらの症状は長期間続く事が多いので、過敏性腸症候群は日常生活にも大きく関わってきます。
発症原因
過敏性腸症候群の発症原因はまだ明確となっておりませんが、心理的ストレスや遺伝が過敏性腸症候群の発症に深く関わっていると言われています。
ストレスや不安に感じる期間が長期間続く事で、脳内にある副交感神経系が活性化状態となり、排便に関わる腸管の蠕動運動が促進されてしまいます。また、過敏性腸症候群を発症している状態では腸管の表面が過敏状態となっている事が多く、ほんの少しの刺激でも腹痛に感じてしまいます。
また、脂肪分を多く含む食べ物(高脂肪食)の過剰摂取、チョコレートやコーヒー等の過剰摂取も過敏性腸症候群の症状を悪化させてしまいます。
よくみられる症状
過敏性腸症候群でよく見られる症状は、長期間続く下痢・便秘、排便時の痛み、腹部の張りおなら、吐き気、頭痛、全身の疲労などが挙げられます。
痛みが発生している部位や排便のパターンは、時間が経過してもあまり変化しない傾向にありますが、症状は時間の経過と共に重くなったり、軽くなったりと変わります。また、過敏性腸症候群の症状は比較的軽視される事が多いです。これらの症状を治療せずに放置していると重大な合併症を招く事もありますので、重症化させない為にも早期での治療を推奨しています。
診断方法
過敏性腸症候群の診断では、診察内容と内視鏡検査(大腸カメラ検査)の検査結果を踏まえて診断されます。
・診察
①腹痛を伴う便通異常(下痢や便秘)がある、
②排便による症状改善を認める、
③行動制限状態において症状増悪がある
上記の3つの条件を満たした場合に過敏性腸症候群と診断されます。
・内視鏡検査(大腸カメラ検査)
大腸カメラ検査は腸管内を観察する事が出来ます。大腸カメラ検査を行う事で現在発症している症状が大腸がん、潰瘍性大腸炎やクローン病のような炎症性腸疾患が原因でない事を確認します。
40歳以上の過敏性腸症候群患者様の中には、虫垂炎、胆嚢(たんのう)疾患、消化性潰瘍、消化器がんなどの消化器疾患を併発する事もあります。発症している症状が大きく変化していないか、新たに症状が発症していないかを経過観測していく必要があります。
治療方法
過敏性腸症候群の治療方法は、発症している症状によっても異なりますが、主に薬物療法とストレス軽減の2つの側面からアプローチしていきます。
・内視鏡検査の実施後からのみ使用できる薬剤を中心に、その補助薬を面談の度に調整します
・抗ストレス治療も同時に行わないと軽減しない事が多い為、精神神経科の医師にアドバイスを頂き積極的に治療します。状態改善が見られない際には心療内科・精神科にご紹介します
薬物療法では腸管の動きを調節する医薬品、腸管の過敏性を抑える医薬品、腸内細菌叢を整える医薬品の中から、患者様が抱える症状に合った最適なものを処方していきます。
・薬物治療
抗コリン薬(ヒヨスチアミンなど)は腸管の筋肉の痙攣を抑える医薬品で、腹痛を緩和させる目的で処方されます。
下痢を発症している方には、ジフェノキシレートやロペラミドなどの下痢を止める医薬品(止瀉薬)を処方されます。
便秘を発症している方には、ビサコジルやグリセリンのような下剤、ポリエチレングリコールを含む下剤などが処方されます。
また、過敏性腸症候群の発症にはストレスや不安などの精神面も関わっている事もあるので、睡眠薬や抗不安薬も患者様によって処方されます。
・生活習慣
過敏性腸症候群の発症には生活習慣も大きく関わりますので、生活習慣の改善も重要な治療となります。特に食事習慣の改善では消化の良い食事を心掛ける、脂っこい食べ物を控える、朝昼晩の3食規則正しく食事を取る事が挙げられます。また、お食事以外では定期的に運動をする事やしっかりと睡眠時間を取る事も大切となります。
問い合わせ
当院では過敏性腸症候群の治療を実施しております。過敏性腸症候群は治療せずに放置していると、他の消化器系疾患である消化器がんや虫垂炎などの重大な病気を引き起こす事もあります。少しでもお腹の不調を感じましたら、いつでもお気軽にご相談下さい。