以下の項目に該当する方は要注意です!

• 胸焼けが発症している
• 吐き気が止まらない
• 長期間胃が痛い
• 胃がもたれるようになった
• 以前ピロリ菌の除菌治療を行った事がある
• 家族で胃がんに罹った人がいる
• 喉に違和感を感じる
• 咳が出やすい
• ゲップが出る事が多い

上部内視鏡検査(胃カメラ検査)とは

上部内視鏡検査とは、口や鼻から内視鏡スコープを挿入して食道や胃・十二指腸を直接観察 する検査です。直接消化管内を観察する事が出来る為、胃がん、胃潰瘍(十二指腸潰瘍)、 逆流性食道炎などの消化器系の病気の診断が可能となります。胃カメラ検査にかかる検査時 間は一般に5~10分程度であり、短時間で口腔内~食道・胃・十二指腸の一部までの精密検 査が可能となります。

従来の胃カメラ検査では、内視鏡スコープを挿入時に嗚咽を催す事が多く辛い検査であると 思われていましたが、当院では患者様のご負担を軽減する為の様々な工夫を施しています。

当院の胃カメラ検査の特徴

・鎮静剤または静脈麻酔薬を使用した苦痛の少ない検査

患者様の苦痛を減らす為に、当院では鎮静剤を使用した「眠ったまま受けられる胃カメラ検査」をご提供しています。眠ったまま胃カメラ検査を受ける事が出来るので、胃カメラ検査があっという間に感じます。検査後は鎮静剤の効果が切れるまでリカバリールームで休憩する事が可能ですので、ご安心してご帰宅できます。

また、鎮静剤の使用は患者様にとってだけでなく、胃カメラ検査を実施する内視鏡医にとっても大きなメリットがあります。鎮静剤を使用する事で患者様はリラックスして胃カメラ検査を受けていただく事が出来ます。緊張している方は消化管の動きに影響が出て、内視鏡スコープの挿入や消化管の観察に影響が及んでしまう事も多く、検査時間が長くなり検査後の不調に至る事もあります。鎮静剤を使用してリラックスして胃カメラ検査を受けていただく事が、検査の質の向上にも繋がります。

・鼻からの胃カメラ検査

患者様の苦痛を減らす為に、当院では鼻からの胃カメラ検査も実施しています。鼻から内視鏡スコープを挿入する事で舌の付け根部分を触れる事なく消化管内を観察する事が出来き、胃カメラ検査時の嘔吐反射を引き起こしにくくなります。

胃カメラ検査は胃がんの早期発見、早期治療に繋がりますので、胃がんで苦しむ方を減らす為には胃カメラ検査の普及が必須となります。一度の検査で苦痛に思われ、以後胃カメラ検査を受けていただけない事は内視鏡医としては一番残念な事です。この地域で胃がんで苦しむ方を減らす為にも、当院では患者様に配慮した鼻からの胃カメラ検査を実施しています。

<胃カメラ検査際に起こる生理的な反射と苦痛と感じやすい部位>
〇喉・咽頭部
・「食べる事」
咀嚼(消化で最も重要) ⇒嚥下 ⇒運搬(食道) ⇒消化(胃) ⇒吸収(腸)

・「呼吸する事」
気管 ⇒肺

「食べる事」よりも「呼吸する事」の両方が機能が隣り合っている為、それぞれの機能にミスが出ないように複雑で高度な神経制御がなされています。脳梗塞後や加齢等により、この機能が低下して「嚥下性肺炎」に至る例も多く、場合によっては致命的な問題ともなります。(健常時はこれほど生きる上で重要な機能な為、普段何も気になる事のない当たりまえ の機能ですが)わずかなチリやゴミでも鋭敏に反応して、咳、くしゃみ、嗚咽等につなげて誤嚥を未然に防いでいます。

咽喉頭部はそれほど敏感でないと生きる上で非常に不都合なのです。スコープが近づけば通常時では激しく反射が出ます。必要以上の強い緊張下では口蓋垂以深の空間を閉鎖して不都合に備えるのが本能です。だからこそ健康に生きていられるのです。過緊張状態の方々は口 蓋垂(ノドチンコ)まで表面麻酔薬の侵入をストップさせようとする為、舌までの麻酔となってしまいます。以深は無麻酔状態ですので通常検査が苦しくないはずがありません。

経鼻内視鏡検査が比較的苦しくないと言われる理由の一つにお鼻の麻酔の際に表面麻酔薬が口蓋垂以深にも到達して結果として咽・喉頭の麻酔が上手くいく事が挙げられます。

・オリンパス社、フジフィルム社の最新の内視鏡スコープを導入

当院ではオリンパス、富士フィルム製の最新の内視鏡スコープを導入しています。近年では内視鏡スコープの拡大率も大幅に改良され、今まででは発見できなかった小さながんも見落とす事無く発見できるようになりました。

・検査時の苦痛を減らす為に炭酸ガス送気システムの活用

大腸粘膜を隅々まで観察する為に、大腸内にあるひだが伸びるよう腸管内に送気して粘膜を伸展して(腸管内を膨らまさせて)大腸カメラ検査を行います。検査後も腸管内に空気が残っているとお腹が張る為に苦痛に感じる事もあります。そこで呼吸による自然な排出を促す炭酸ガスを腸管内に送気しますので、大腸カメラ検査後の苦痛も抑える事が出来るようになりました。

・土曜日での胃カメラ検査も実施

当院では、平日忙しい方でも胃カメラ検査を受けていただけるように、土曜日も胃カメラ検査を実施しています。胃がんに負けない地域を創っていく為には、働く世代の方への胃カメラ検査の普及も欠かせません。胃がんで苦しむ方を減らす為にも是非土曜日の胃カメラ検査もご活用下さい。

胃カメラ検査の流れ

・検査の前日
普段お飲みになられているお薬はお飲みいただいて構いませんが、一部のお薬は休薬とする事もありますので、検査を受けられる前に必ず医師までご相談下さい。

胃カメラ検査前日の夕食は夜9時までにお済ませいただき、うどんなどの消化の良い物を摂取するようにしていただきます。また、夜9時以降は水、お茶やスポーツドリンク以外の色の付いたお飲み物の摂取はお控え下さい。

・検査当日の朝
普段お飲みいただいているお薬がある方は事前に医師までご相談下さい。胃カメラ検査の当日では、検査が始まる1時間前でしたらお水、お茶やスポーツドリンクなどの透明なお飲み物は少量であれば摂取しても構いません。

検査当日は受付で診察券と胃カメラ検査の同意書をご提出いただきますので、お時間に余裕をもってお越しいただきます。また、検査時は鎮静剤を使用しますので、お車やバイク等でのご来院はお控え下さい。

・検査後
胃カメラ検査後は鎮静剤の効果が切れるまで、リカバリールームで休憩していただきます。休憩後に検査時に撮影した消化管内の画像を見せつつ、検査結果を説明します。がんが疑われる部位が発見された際は生検する事もあります。病理組織の診断には時間がかかりますので、再度当院までお越しいただく事となります。
※外部機関に細胞検査の依託をしておりますので、あまりに早く来院されても結果が届いていない事もあります。

胃カメラ検査で診れる疾患

胃カメラ検査では上部消化管の異常を観察する事が出来ます。

・食道がん
食道に発症するがんで、「喉がしみる感じ」「喉のつっかえ感」などの症状が良く診られます。早期の食道がんの状態で発見できると内視鏡での治療も可能となります。

・食道・胃粘膜下腫瘍(GIST)
食道に発症するがんで、「喉がしみる感じ」「喉のつっかえ感」などの症状が良く診られます。早期の食道がんの状態で発見できると内視鏡での治療も可能となります。

・胃がん
胃に発症するがんで、「長期間続く胃の痛み」「胃の不快感」などの症状がよく診られます。胃がんも早期の状態で発見が出来ると内視鏡での治療も可能となります。

・胃潰瘍
心窩部痛を伴う事が多いですが、その他の症状として「胃もたれ」「吐き気」「ゲップ」などの症状を引き起こす事もあります。治療が遅れると胃に穴が開いたり、出血を止める事が出来ずひどい時には貧血を招く事もあります。出血し黒色便(タール便)を呈する事や大血管付近での深い潰瘍から血管損傷に至り大出血となり、意識消失を伴うショック状態に陥ります。緊急手術にも間に合わず死亡する例も実際にあります。人員も設備も整っていても時間的に間に合いません。

・十二指腸潰瘍
空腹時の心窩部痛が特徴的です。十二指腸は比較的薄い膜で覆われており穴が開きやすいです。十二指腸潰瘍の治療では薬物療法によって行う事が多いです。

・ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)の感染
胃の中で発見される細菌で、潰瘍や胃がんなど様々な消化器の疾患を引き起こす原因となります。ピロリ菌に感染している事が分かると、直ちに除菌治療を行う必要があります。昨今の時勢柄、救命救急医や外科医の動物的なカン(かなり当たります)で「一刻も早く手術」 と提案しても「はい、お願いします」とはなりません。ご家族への説明自体も長時間を要し、説明する為の客観的なデータ収集にも時間を要します。その間に容体は急変します。

・胃アニサキス症
アニサキスは寄生虫の一種で、サバ、アジ、イワシなどの光物やイカなどの魚介類に寄生しています。アニサキスに感染している魚介類の加熱処理が不十分であると、その魚介類を摂取した人間にも感染します。胃壁内にアニサキスは侵入する為、激痛を伴います。

上述している疾患は胃カメラ検査で診断ができる疾患の代表例で、上述以外の疾患も胃カメラ検査で分かる事もあります。

胃カメラ検査の費用

当院の胃カメラ検査費用は以下の表をご参照下さい。

※上記の表に書かれている費用はあくまでも目安の金額です。実際の費用と異なる事があります。
※鎮静剤の費用も含まれています。

お問合せ

近年では胃カメラ検査が普及しつつあり、胃がんで亡くなる方が減少傾向にあります。胃がんは不治の病ではありません。胃がんは予防できる時代となりました。

この地域で胃がんで苦しむ方を減らす事が出来るよう、当院では今後も胃カメラ検査を1件1件丁寧に行います。胃がんに負けない地域を創る為にも、少しでもお腹の不調を感じられましたら医療機関までご相談下さい。